「短歌共作」博物館 友達からの助言が待ち遠しい!お互いにコメントをし合う短歌推敲シート

東京都渋谷区立代々木山谷小学校

画面イメージ

○こんな実践
デジタルのよさである“共有”と“試行錯誤”をコラボノートで実現させ、全員の作品の鑑賞および相互評価、さらに修正が容易にでき、よりよい短歌をつくりあげることができた実践である。
○注目ポイント
コラボノートに短歌を載せることで、紙の短冊を使って推敲していくよりも短時間で多くの情報が得られるため、一人ひとりが多くの助言等を得ることができる仕組みとなっている。そのため、今までの鑑賞の学習ではみられなかった意欲的に取り組む姿や、よりたくさんの作品にふれることができることで共感を得られやすい作品づくりへと深めていくことができている。絵や作文などの相互評価にも活用の幅は広がる実践である。
学校 東京都渋谷区立代々木山谷小学校
実践学年組 6年1組
先生 細川 卓郎 先生
教科 国語
実践の目的
    紙の短冊に書いた作品を助言しあうよりも早く、短時間で多くの意見を集める。
    また、何度も作品を書き直すことへの抵抗感をなくす。
実践のポイント・工夫
    この単元では、江戸時代の歌人・橘曙覧の短歌を鑑賞した後、自分なりの「たのしみは…」で始まる短歌を作り、「より自分らしい表現」を目指して、友達同士で推敲し合う。友達からの助言をもとに推敲する場面では、コラボノートの共有ページ上で児童が作った短歌を発表し、瞬時に共有化する。これにより、全員の作品に触れる時間を短縮できたり、容易に作品を修正したりすることができる。自分の力で考える時間を確保するため、ふせんの公開設定を「自分のみ表示」とし、みんなで読み合うまでは周りの友達の作品を敢えて見せないようにする。
    短歌の共有ページをあらかじめ複製しておくことで、学び合いの前後でどのように作品が変化したのかを比較することが容易になり、振り返りにも役立てることができる。また、コメント機能を活用することで、「より多くのコメントをもらいたい」「隣のクラスの作品にもコメントをしたい」と、作品を評価することへの意欲をもたせることができる。
実践内容
    第1時では、コラボノート上のページに短歌づくりのポイントを作成し、学習の見通しを持たせた。授業者自身が身の回りの「ちょっとした楽しみ」を紹介することで、一首の短歌が出来上がるまでを具体的に示し、児童への創作意欲をもたせてから短歌を作らせた。第2時では推敲の意味と方法について書かれたページを追加し、「よりよい作品」への価値観に具体性を持たせることで、児童が短歌を推敲する方向性を共通理解できるようにした。そして、新たな観点をもとに自分自身の短歌を推敲させた。公開設定を「個人のみ表示」にしているため、児童は友達の作品への関心が高まり、交流を求めている状態であった。第3時で公開設定を全体へと変え、グループ内の友達同士での学び合いを始めると、お互いの作品を真剣に鑑賞し、多くの助言を与えたり、どちらの言葉がより適切かを活発に議論する姿や、何度も書き直しながら自分で再度推敲する姿が見られた。
コラボノートを使用してよかった点
    コラボノート上に推敲の観点を載せたので、児童がいつでも評価の基準を振り替えることができた。紙の短冊を使って推敲するよりも短時間で多くの情報量が得られ、児童がより多くの助言得て、参考にすることができるようになった。また、「彼のコメントは5件しかないから書いてあげよう。」「2組の作品にもコメントをしたい。」と、鑑賞する作品の範囲を広げ、より多くの助言をしようと意欲的に取り組む姿も見られ、語彙を広げ、より自分らしさがあり、共感を得られやすい作品へと深めることができた。
    第3時では家庭の都合で早退した児童がいたが、空港からタブレットで推敲に参加する姿も見られた。
単元略案 「短歌共作」博物館 (PDF:198KB)