「プロに学ぶ イチゴ栽培」 博物館~収穫したイチゴでXmasケーキをつくろう~

静岡県静岡市立清水庵原中学校

画面イメージ

○こんな実践
コラボノートだからこそできる、どこでも、どんなときでも多くの専門家とつながり、授業に関わってもらえることを実現し、イチゴ栽培を主体的で深い学びへと変えた実践である。
○注目ポイント
主体的・対話的で深い学びの実現には、学習で得た知識や技術を対話を通しさらに高めていくという場面が必要となってくる。そこで、必要なのが外部の人材、つまり専門家とのつながりである。今までは簡単にはつながることができなかった。しかし、コラボノートを活用することで、常にリアルタイムでの関わりは必要なく、いつでも、どんなときでも専門家は授業に参加することができ、多様な視点を与えてくれることができるようになった。
学校 静岡県静岡市立清水庵原中学校
実践学年組 一年一組・二組
先生 山本 貴史 先生
教科 技術・家庭(技術分野)
実践の目的
    中学1年生2クラス74名が収穫したイチゴを使ってXmasケーキをつくるためにイチゴの栽培を行う。定植から収穫まで、毎時間、スレートPCを用いてコラボノートに写真と文章で栽培記録をとる。観察の中で疑問に思うことがあれば、コラボノートの質問コーナーに入力すると、次週までに様々な専門家よりアドバイスをもらえ、以降の栽培にいかすことができる。
実践のポイント・工夫
    新学習指導要領でも言われている「社会に開かれた教育課程の実現」を目指し実践を行った。様々な専門家(大学教授・JA職員・イチゴ農家・農業高校生)を講師として毎時間、授業に来てもらうのは大変だが、コラボノートを用いることで“どこでも”、“どんな時間でも”授業に関わるってもらうことができた。そのため、毎時間、無理なくタイムリーに様々なアドバイスをいただくことができ、栽培にいかすことができた。
    様々な専門家より、それぞれの立場から異なるアドバイスをいただいたため、生徒たちは、一つの側面から考えるのではなく、複数の側面から物事を考えることができるようになり、技術の見方・考え方を働かせた深い学びにつなげることができた。
    コラボノートの同一ノート内に「質問コーナー」と「個人の記録ページ」を作成したので、生徒たちは質問を思いつけばすぐに入力することができた。また、それを見る専門家たちは、まず「質問コーナー」でクラス全体の質問を把握し、その後、質問者の出席番号の「個人の記録ページ」を見れば、質問者のイチゴの写真も見ることができ、生長の様子がわかり的確なアドバイスを入力することができた。
実践内容
    第4・5時の「定植」の授業で、イチゴの専門家であるJA職員にT2に入っていただいた。何か個人で調べてもわからないような内容については、コラボノートの質問コーナーに入力すれば、今日来てくれているJA職員の他、静岡大学教授(技術分野:栽培専門)、イチゴ農家(農林水産大臣賞受賞)、身近な先輩(農業高校進学者)からアドバイスをもらえることを生徒に伝えた。イチゴが生長してくると、教師が気付かないようなことも疑問に思い、質問コーナーをたくさんの生徒が活用していた。質問しない生徒も、同様の疑問を持った生徒の質問コーナーを見て解決していた。
    また、「どんなイチゴにしたい?」の授業では、生徒たちが自分の望むイチゴに育てるために、仮説とそれを確かめるための実験方法を考え、そのことについてコラボノートでアドバイスをもらい参考にすることができた。「害虫の駆除」の授業では、観察で害虫らしきものを発見した生徒が質問コーナーに入力し、次週に各専門家それぞれの立場から異なるアドバイスをもらうことで、技術の見方・考え方の複数の視点から害虫の駆除について考えることができた。
コラボノートを使用してよかった点
    ほとんどの生徒がはじめてイチゴ栽培を行ったが、書籍やインターネットで調べてもわからないような疑問を、毎時間、次週には様々な専門家よりアドバイスをもらうことができたので心強かった、という声が上がった。
    様々な専門家より、それぞれの立場から異なるアドバイスをいただくことができたため、これまで生徒たちは、一つの側面から考えることが多かったが、複数の側面から物事を考えることができるようになり、技術の見方・考え方を働かせた深い学びにつなげることができた。
単元略案 「プロに学ぶ イチゴ栽培」博物館 (PDF:218KB)